『ラストレースへの想い』中島 湧心


9月8日(木)〜11日(日)に全日本大学選手権大会が開催されます。熱いご声援を宜しくお願い致します。熱いご声援を宜しくお願い致します。4年生全員がレースへの想いを綴りましたので、紹介していきます。

今回の担当は、中島 湧心(スポ4・八尾=富山)です。是非、ご一読ください。

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「勝負師」

シンコビッチ兄弟に憧れ、あの大学を倒すために入部してから早4年が経とうとしています。そんな私の大学生活を少し振り返りたいと思います。

大学でのボート生活は想像以上にうまくいかない事ばかりでした。特に3年生のシーズンは特に辛かったです。早慶戦では練習ではストロークを務め、そのまま大会に挑むものと思っていましたが大会間近で怪我をしてしまいました。何とかクルーの支えもあり、ポジション変更を行い、勝てる自信があった早慶戦では接戦を制することができず、間違いなく人生で最悪な日となりました。もし自分が万全の状態ならと今でも考えてしまいます。その日だけならまだしも、そこから1年近く怪我の状態が良くなく、思ったように練習ができない日々が続きました。無気力でただ何もできず、オンライン授業を受けるだけの日々が続きました。その頃から何気なく就職活動なんかも始めてみました。ずっと心の中にあった実業団でボートを続けたいという気持ちを殺し、業界地図を買い、とりあえず年収の良い企業を調べ、説明会にも参加してみたりしました。競技生活の中で初めてボートを辞めようと思った時期でした。ですが、就職活動を通して本当の意味で行きたいと思った企業は見つかりませんでした。

転機となったのは新人が入部し、伴走を任されるようになった時でした。ボートの事を良く知らない1年生に初めてコーチングを行うようになりました。最初は何気なく指導を行っていただけでしたが、気づけば夢中になり、彼らの成長とともにボートの楽しさをまた感じるようになってきました。そして何件も病院や整体を回り、復帰を目指すようになりました。その時から徐々に心に火が付くのを感じました。そこから運よく自分に適した治療方法を見つけ、何とか競技復帰を果たしました。

インカレには間に合いませんでしたが、そこではエイトの伴走をし、自分はまだやるべき事があると確信しました。

今となれば就職活動を行った経験も怪我をした経験もボート競技が自分の居場所だと感じるようになった一つの要因として捉えることができています。ストロークというポジションに強い想い入れがある事も3年の早慶戦の敗北があったからなのかもしれません。勝負師としての私の生活はインカレ後も続きます。自分でやり切ったと思える日はいつ来るのかは分かりませんが、そこまでは頑張ろうと思います。同期のA君や後輩と全日本でレースができた時にはこんなに幸せでワクワクするレースは無いのではないでしょうか。それも一つの楽しみにしていこうと思います。(もちろん負ける気はありませんが。)

最後になりますが、これまで日頃から多大なるご支援を頂いたOB、OGの皆様、コーチ、スタッフの方々には心から感謝申し上げます。


早稲田大学ボート部新入生・高校生用ページ

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