『ラストレースへの想い』冨樫 夏樹

【ラストレースへの想い】

9月6日(水)〜10日(日)に全日本大学ローイング選手権大会が開催されます。熱いご声援を宜しくお願い致します。4年生全員がレースへの想いを綴りましたので、紹介していきます。

今回の担当は、冨樫 夏幹(教4・朋優学院=東京)です。是非、ご一読ください。

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大学生活は、時に「人生の夏休み」と称されます。

思えば私の大学生活は、世間一般で言われるそれとは

随分違っていました。

悠々自適で気楽な日々とは程遠く、ひたすら戸田と自宅を往復する日々。遊びの誘いを断ったことも数知れず、

友人達には、弊部はとんでもないブラック部活に見えた

でしょう。ここだけの話、私も最初の頃は「選択間違った

かも」と頭を抱えていました。

しかし艇庫には、朝な夕なに艇を進める選手たちがいて、

その隣には、選手の勝利に向けて邁進するトレーナー・

マネージャーがいます。戸田全体を見れば、安全な大会

運営のために奮励する学連員達の姿もありました。

「夏休み」の大半を捧げて、一心にボート競技に向き合う

彼らの背中が、私の目にはたいへん眩しく映ったのです。

私のこの2年半の記憶を輝かせるのは、そんな人々の

眩しさに違いありません。121年も昔から紡がれる眩しい人々の歴史の中で、その一部としてあれたことを、改めて誇りに思います。

2021年7月、私は「後悔しないために」と題して入部の意気込みを語りました。当時の決断に、後悔はただの一つもありません。

さながら夏休みの思い出のように、鮮やかで、かけがえのない記憶を得たのです。重たい水を掻き分けて進む臙脂の背中を、私は一生忘れられないでしょう。

全く新しいボートの世界に飛び込んだ、当時の自分に胸を

張って。2023年9月、早稲田大学漕艇部 副務としての

私は、幕引きです。

さて、インカレが始まれば、あとはその背中を信じて待つばかり。勝利の喜びも 敗北の辛酸も、全てを貪欲に

喰らって飲み込んだ彼らの輝きを、マネージャーとして、

同時に1人のファンとして、見届けます。

最後に、私を受け入れて隣を歩いてくれた同期と、

入部にあたって力強く背中を押してくれた両親に

心からの感謝を述べて、結びの言葉といたします。

拙文でしたが、最後までご高覧いただき

ありがとうございました

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