『ラストレースへの想い』柘植 充

【ラストレースへの想い】

9月4日(水)~8日(日)に全日本大学ローイング選手権大会・オックスフォード盾レガッタが開催されます。熱いご声援をよろしくお願いいたします。4年生全員がレースへの想いを綴りましたので、紹介していきます。

今回の担当は、柘植 充(スポ4・加茂=岐阜)です。

是非、ご一読ください。

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「もう一度、日本一になりたい」

早稲田大学漕艇部の門をたたいてから、早くも3年半が経ちました。

振り返ってみると、この3年半はずっと怪我の痛みと戦っていました。高校3年の終わりに発症した腰椎椎間板ヘルニアは私の大学生活を大きく変えました。

歩いているとき、座るとき、寝転がる時。常に痛みを気にしていました。1,2年生の間は、水上練習を一度も出来ませんでした。ボート部なのに、ボートが漕げない。みんながボートを漕いでいる姿を食堂から眺めてはため息をつく日々。いつの間にか、料理だけが上達していました。料理をしている時は嫌なことをすべて忘れられました。振り返ると、料理に心を救われていたのかもしれません(笑)。(余談ですが、得意料理はペペロンチーノです)

2年生の夏、意を決してヘルニアの摘出手術をしましたが、痛みの改善は見られませんでした。離れた地から応援してくれていた家族には合わせる顔がありませんでした。入部して2年間リハビリしかできなった時は、ボートから逃げ出したくなりました。「漕手を辞めたら、辛い気持ちから解放される。僕の輝ける場所がボートじゃなかっただけ。」と、何度も考えました。ボートから離れようとしていました。

しかし、ある想いが私を諦めさせませんでした。

「もう一度、日本一になりたい」

この単純な想いです。

私は父と兄弟がボート選手だった影響もあり、中学2年生からボートを始めました。ここで恩師と出会い、みるみるうちに力を伸ばしていき、中学、高校で日本一を5度獲ることができました。日本一を獲ったときの感情は、今でも忘れません。

自分が乗っている艇が日本で一番速いんです。ド派手で最高カッコイイじゃないですか!!

あの時の景色をもう一度。もう一度、日本一になります。1位以外は見えてません。

ラストレースは、高校からの仲の沢目とダブルスカルです。彼も高校時代日本一を獲ったことのある強力な選手です。二人で日本一を勝ち獲ります。

最後に。ここまで好き勝手やらせてくれた両親に金メダルを見せてあげたいです。ひたすらに応援し続けてくれました。怪我で苦しんでいる私にずっと寄り添ってくれました。ラストレースは、両親に捧げます。見ててな!

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